こんにちは、株好きFPのかたやま りえです。日経平均は3月後半から堅調な動きになっていますね。その背景のひとつに海外投資家の動向があります。4月は海外投資家による日本株の買い越し額は3兆円を超えた(現物と先物の合計)というニュースがありました。3月は2兆4,004億円の売り越しなので、ずいぶん違うことがわかると思います。株式投資をするのに、海外投資家の動向は重要な要素のひとつです。海外投資家とは何かと、なぜ海外投資家の動向が日本株に影響するのかを解説し、日本株の今の状況も考えてみましょう。
海外投資家とは?
海外投資家の取引というのは、日本に居住していない外国人が、海外の証券会社を通じて取引したものを示しています。機関投資家、年金基金、ヘッジファンドが代表で、個人投資家も含まれています。日本株の売買シェアは約6割が海外投資家と言われているため、海外投資家の取引数は日本株に大きく影響するのです。
また、投資部門別売買状況が毎週木曜日に更新されます。1週間前のデータになりますが、日本株の方向性がつかめます。
外国人が連続で買い越しの時は強気の可能性があります。毎週売り越しているときは弱気の可能性が考えられます。 1週間ごとに買い越ししたり、売り越ししている場合は中立の可能性が考えられます。また、外国人投資家は順張り投資で、株価が上昇しているときに買い越しをする傾向にあります。
なお、私は投資部門別売買動向は海外投資家の他に以下もチェックしています。
・個人現金
・個人信用
・信託銀行
順番に解説しますね。
個人現金とは、個人投資家の現物取引のことです。日本の個人投資家は多くが逆張りスタイルのため、買い越しが多いときは日本株が弱い傾向にあります。
信用取引は、半年で決済する必要があるため、買い越しが続いている場合は短期では相場が強くなると考えている個人投資家が多いことを意味し、反対に売り越している場合は、短期的には相場が弱くなると考えている投資家が多いことを意味します。
信託銀行は、私たちの年金を運用しているGPIFのことです。日銀のETF買い入れもここに含まれます。信託銀行も、個人現金と同じ逆張りです。
投資情報番組などでも取り上げられますので、毎週木曜日チェックしてみてくださいね。
なぜ好調?日本株
海外投資家がこれほど日本株を買い越しをしている背景は、どんなことからでしょうか?
・バフェット氏による日本株の評価、商社株の追加投資
・日本の長いデフレが終了し、インフレになる期待がかかっている
・アメリカは地銀破綻や債務上限など問題が多いため日本株に流れてきている
(債務上限問題はこちらの記事で解説しています)
ということが言われています。
しかし、日経平均の1株あたり純利益(EPS)2023年3月末で2,119.54円ですが、5月11日現在で2,019.88円と低下傾向にあります。つまり業績が低下傾向の中、株価が上昇しているのは少し違和感があります。また、値上がり数を値下がり数で割って算出する騰落レシオが5月9日は143.20%、12日現在も125.48となっています。120%を超えると過熱感があると言われているので、注意も必要です。
まとめ
・海外投資家とは、日本に居住していない外国人が、海外の証券会社を通じて取引したもの
・海外投資家は、日本株の取引きの約6割を占めているので影響が大きい
・海外投資家が買い越ししているときは強い相場
・現在の日本株は、バフェット氏の評価や、金融緩和の終了の期待から上昇していると考えられる
・日経平均EPSの低下や過熱感には注意が必要