株式投資

ビジネスモデルがわかるからこそ投資対象にできない業績好調銘柄とは?

株式投資

こんにちは、株好きFPのかたやま りえです。

先日ある投資情報番組で、FPパートナー(7388)のIR活動で社長さんが登場していました。成長率も高く、2023年11月期の業績予想も四季報予想を上回る数値で、2023年2月27日現在のPERは20.8倍と結構な割安な状況です。

私もFPなので、気になる企業ですが、ビジネスモデルがわかるからこそ投資対象にできないのです。ですが、改めてIR資料を読んでみました。2022年11月期決算短信に、

個人向け商品の新規契約件数は、個人保険・個人年金保険ともに運用実績に応じて保険金や解約返戻金が変動する 「変額保険」の比率が増えており、前期(2020年4月~2021年3月)個人保険全体に占める割合が3.4%だった変額 保険は5.1%まで伸展、個人年金保険においても前期の20.9%から24.4%まで伸展しております(出典:(社)生命保 険協会「2022年版 生命保険の動向」より当社にて算出)。 このような環境の下、当社においても引き続きライフプランや資金計画を見直す必要性が生じた顧客から保険を含 めたお金に関する相談は多く寄せられており、当社の主力販売商品である変額保険の販売件数も増加いたしました。 今後も「保障」だけではなく「資産運用」まで拡大した現在の顧客ニーズは継続すると考えられます。 

とありました。

FPパートナーは、保険代理店事業です。同社のビジネスモデルは、保険を契約することで入る手数料が収益源です。顧客は家計の相談は無料で受けられますが、資産を増やす手段として変額保険の販売、契約してもらうことで同社の収入となるのです。

変額保険は、契約してしばらくは元本割れします。一定数経過した後も変額なので、元本割れの可能性はありますが、最初の契約してしばらくの間元本割れする理由はなんだと思いますか?

これは、保険を販売するための人件費、宣伝費など初期運転コストがかかっているためです。また、保険の運用資産のほとんどが債券ですが、自分でつみたてNISAで債券を運用すれば、この初期運転コストはかからないのです。それなら、つみたてNISAで自分で運用した方が、運用益も非課税になりずっとおトクなのです。保険は、被保険者に万が一のことがあれば支払いは免除されますが、その可能性はかぎりなく低く、運用益には税金がかかります。

本当に貯蓄性がある保険に加入している方が多いですが、保険と貯蓄は分けて考えた方が合理的です。長い期間かけて資産を増やす場合はどう考えても、ネット証券で自分で運用コストの低い商品を選んだ方が資産形成には有利なのです。このようなことは、保険代理店に属さない独立FPしか教えてくれません。もし、家計相談をしたいなら独立FPに相談をおススメします。

本来ビジネスモデルがわかりやすいので投資対象にしやすいし、業績が好調という理由で割り切って投資するのもアリだとは思いますが、どうも手が出ないのが私の正直な気持ちです。純粋な相談料が収益源という上場企業が現れて欲しいですね。