株式投資

投資のヒントがつまった損益計算書の見方を解説!飲食店の利益構造比較

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こんにちは、株好きFPのかたやま りえです。

私は時価総額1000億円以下程度、年率20%程度利益成長している銘柄、いわゆる成長株投資をメインにしています。株式投資をするのに、財務三表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)を読むことは重要です。その理由は、財務がよい会社ほど、経営が傾いても、信用力があるので借入がしやすく立て直しがしやすく、利益が積み上がりやすい、安定した経営、利益が出せるなどさまざまなメリットがあるからです。このような財務がよい銘柄で、業績がよい会社は、長く安心して保有しやすいと言えます。

最近上昇トレンドであるラーメン業界4社の利益構造を比較してみました。上昇トレンドの銘柄を見るとどれも魅力的に映るのではないでしょうか?その前に業績や財務チェック、定性分析をする必要があります。今回は損益計算書を見ながら利益構造を理解する方法を解説し、どこが投資先として魅力かどうか考えてみましょう。

投資先の条件となるよい利益構造とは?

まず、最初に利益にはさまざまな種類があり、今回注目したい数値について解説します。

売上原価(商品やサービスを作るためにかかる費用・材料費)が売上に対して60%以下

売上げ総利益(売上高から売上原価を引いた利益 粗利益とも言う)率が40%以上

一般管理費(営業に関わる費用・本社費用 販管費とも言う)が売上の30%以下

営業利益(本業のもうけ 粗利益から一般管理費を引いた利益)が売上に対して20%以上

当期純利益(最終的に会社に残る利益)が売上に対して10%以上

です。

なお、この数値の目安は、

「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力大不況でも投資に勝ち抜く58のルール」

こちらの本を目安にしています。財務諸表を勉強したい方はぜひ読んでみほしい本です。

では、各社の直近の本決算で見てみましょう。

事例で利益のちがいを見てみよう

事例①ギフトホールディングス(9279)

ギフトPL

事例②力の源ホールディングス(3561)

力の源PL

事例③丸千代山岡屋(3399)

山岡屋PL

事例④ハイディ日高(7611)

日高屋PL

4社を見ていかがでしょうか?

原価率はほぼ30%前後で各社変わりがないのが分かります。粗利益率も70%前後です。

しかし、ギフトのみが、営業利益率10%を超えています。目安は20%と先ほどお伝えしましたが、10%は一般的な理想の数値のため、結構いい数値なので。ギフトの営業利益率が他社よりいいのは、販管費が抑えられているからです。他社の粗利益に対する販管費は90%以上かかっているためほとんど利益が残らない状態となってしまっています。

今回の決算書は、コロナ禍のため各社助成金が出ているため営業外収益や特別利益が多く計上されていますので、経常利益が営業利益より大きくなり、純利益も本来の数値より大きくなっています。それでも、最終的に残っている利益もギフトが9.0%と1番多く残っています。

今回比べた4社は原価もほとんど同じですが、もし、1社だけ極端に原価が小さければそこに他社より安く仕入れる、つまり競争優位性がある可能性も考えられます。

まとめ 利益構造が見えると優秀な会社がわかる

企業が利益を継続して出すには、原価、販管費をいかに抑えることができるかが重要になってきます。

企業によっても利益が残りづらい業界もありますし、反対に原価のかからないビジネスモデルであれば、利益は残りやすくなります。いろいろな業種、同じ業界同士などで比較してみてくださいね。

利益構造が理解できると、ただ株価が上昇しているという理由だけで株を買ってしまうということもなくなります。

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