こんにちは、株好きFPのかたやま りえです。
東証の再編の動きで議論が行われている東証フォローアップ会議より、PBR1倍割れの企業は経営改善をするように東証から求められています。その解消の対策のひとつとして、自社株買いというものがあります。自社株買いをすると株価が上昇しやすく、その期待から、PBR1倍割れの銘柄が動き出してきました。
自社株買いとは何かということと、自社株買いをすることでなぜPBRの数値が上がるのでしょうか?一緒に考えてみましょう。
PBRの解説はこちらの記事をどうぞ
自社株買いとは?
まず、自社株買いとは、市場に出回る自社の株を一定額買い取ることです。自社株買いをする効果は、1株当たり純利益が上昇し、PERが下がる(株価が割安になる)ため株価が上昇しやすいということです。順番に解説しますね。
自社株買いをすることで、市場に出回る発行株数が減少することになります。
株価が割安かどうかを判断するためには、PERを確認します。
PER=株価÷1株当たり純利益
で計算されます。
1株当たり純利益=純利益÷発行株式数
で算出されます。つまり、発行株数が少なくなると1株当たり純利益の数値が上がるのです。
例えば、純利益が1億円の会社で、発行株数が10,000株の場合の当期純利益は、
純利益1億円÷発行株数1000万株= 10円
自社株買いで5%の50万株を買い取ると、発行株式数は950万株になるので、
純利益1億円÷発行株式数950万株=約10.5円
というように1株当たり純利益が上昇します。
株価が、100円であれば、
100円÷10円=PER10倍
100円÷10.5円=約PER9.5倍
となり、株価が割安になったことが分かると思います。
自社株買いは、発行株式数の5%以上あるとインパクトがあると言われています。ですから、2023年の2月にシチズン時計(7762)が25%超えの自社株買いを発表したのは相当なインパクトなんですね。
自社株買いは、3月決算企業であれば5月に決算発表したあとくらに発表されることが多いです。気になる企業の過去の実績も見てみるといいでしょう。
自社株買いの発表をした翌日の株価は上昇することが多いです。ただ、いくら自社株買いをしいても業績が悪ければ、その株価の上昇は一時的なものです。投資判断は、業績がよい銘柄かどうかも必ず確認してからにしましょう。
まとめ
・自社株買いとは、発行株に対して自社で買い取り市場に出回る株数を減らすことで、株主還元の一環
・1株当たり純利益が上昇し、株価が割安になるので、株価が上昇しやすい
・発行株数の5%以上の自社株買いはインパクトがある
・自社株買いを発表した翌日の株価は上昇しやすいが、あくまでも長期に渡って上昇するには業績がよいことが大前提