よく、投資をする際には「分散投資が必要」と言いますが、具体的にどういうことなのでしょうか?投資の有名な格言に「卵を1つのカゴに盛るな」と言うものを聞いたことがある方も多いと思います。ですから、複数の投資信託を買えば良いのかなと思うかもしれませんが、その買い方本当に合っているでしょうか?投資信託の商品の組み合わせによっては、実は分散投資になっていない可能性もありますよ。分散投資についてと、間違った事例を解説しますので、これから投資信託を選ぶ時の参考になればうれしいです。
分散投資は3種類
まず、分散投資は、3つの種類があります。
1.資産の分散
資産とは、株、債券、REITのことで、これらの複数の資産に分散することを言います。
通常、株と債券は反対の値動きをします。そのため、株と債券を分散投資することで、値動きのリスクを抑えることができます。REITは、株と同じような値動きをします。リターンは株とREITが同じくらい高く、債券のはリターンは低いです。
2.国の分散
日本の投資信託の種類は、日本、先進国、新興国となっています。
日本は、人口が減少していることもあり経済成長は緩やかですが、世界的には人口は増加しています。米国や中国などの新興国にも分散投資することでリターンの期待ができます。
3.時間の分散
時間の分散とは、一度に購入するのではなく、分割して購入することです。
まとまった金額を一度に購入すると、短期的な投資信託の価格の下落で、含み損が大きくなり、心のダメージが大きいです。時間を分散した方が評価損益が大きすぎることがなく、安心した投資ができます。
投資信託の中身を見よう!間違った分散投資の事例とは?
例えば、「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」という日経平均のインデックス投信と「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」と言う商品を保有していたとします。これだと日本株の比率が大きくなってしまっています。また、「eMAXIS Slim バランス」は、国も資産も分散されていますが、株式とREITは同じような動きをするのでこれも分散しているとは言えません。
もうひとつのパターンとして、「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」を毎月15,000円、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を毎月15,000円積み立てる場合はどうでしょうか?あなたご自身で、日本株とアメリカ株の比率を1対1に決めたと言うのであれば問題はありません。ただし、途中で、投資信託の価格の上げ下げによって保有割合が変わってきます。このような場合は、自分で比率を元戻す、つまりリバランスをする必要があります。
つまり、投資信託を複数持っていれば分散できていると言うわけでは無いと言うのが、分散投資の落とし穴なのです。
1つの投資信託で充分な分散投資が可能!
では、どうやって分散投資をすればいいのでしょうか?
私の個人的な考えですが、これから始める初心者の方はまず、全世界株式のインデックス投信をつみたてNISAで始めることをおススメします。これ1本保有すれば、
世界中の株式に分散投資していることになる
ので、リバランスの必要もなく、ただ毎月積み立てていれば問題ないからです。
また、全世界株式と言うと、債券が含まれていないので分散になっていないと思うかもしれませんが、私は必要ないと考えています。その理由は、
経済成長とともに株価は上昇するからです。
先程もお伝えしましたが、株式と債券は、通常反対の値動きをします。ですから、リターンの低い債券を買う余裕があるのなら、その分を株式に当てた方が有効的だと考えるためです。
そして、個別株だと、業績が悪化する企業もありますが、それを全世界の株式を買うことである企業がダメでも他の企業がカバーしてくれますので、無理なく分散することが可能になります。
分散投資と、その落とし穴についてお伝えしました。複数の投資信託を保有することが分散投資ではありません。資産、国の割合と、時間を決めることが分散投資です。1本の投資信託で分散投資は可能です。あとは、時間を分散して、資産を増やしましょう!